集合住宅では、戸建で暮らすよりも、ひとつの建物を共同で利用するという点で、さまざまなトラブルが起こりやすいもの。私たちがマンション管理をするうえでも参考にする、実際に起きたトラブル事例をご紹介!これを知って楽しく快適なマンションライフを送りましょう。
喘息等の疾患を有するAさんが、下の階に居住しており喫煙者のBさんへ電話等にて喫煙をやめるよう求めましたがBさんはこれを無視して喫煙を継続しました。
このため、Aさんは体調を悪化させ、精神的苦痛を受けたとして不法行為による損害賠償を請求したという事件があります。(名古屋地裁平成24年12月13日判決)
(1)自宅の所有建物内であっても、いかなる行為も許されるというものではなく、当該行為が、第三者に著しい不利益を及ぼす場合には、制限が加えられることがあるのはやむを得ない。Bさんが平成22年6月以降の平日午前の5時間の間に喫煙した量は5、6本、平成22年5月以前の職に就いていない時期には、これを大きく上回るものと推認されることからすると、Bさんの喫煙によりAさんの室内に入る煙草の煙は少ないとは言えない。
(2)Bさん自身、ベランダで煙草を吸いながら景色を眺めることを好んでいたことからすると、本件のマンションの立地は、日常的に窓を閉め切り空調設備を用いることが望まれるような環境とは言えず、Aさんに落ち度があるとは言えない。
(3)Aさんが、「自分は喘息で煙草の煙によって強いストレスを感じている。」旨をBさんに電話等により伝えるも、BさんはAさんに配慮することなく喫煙を継続する行為は、不法行為になる。
(4)損害賠償請求金額150万円に対し、精神的な損害への慰謝料として5万円の支払いを命じる。
今般の事例は規約で規定されていない事項が問題となり、訴訟に発展しました。
また、規約に規定されている事項でも、例えば、管理費等の未収、ペット飼育、上下階の生活音に関して訴訟に発展する場合があります。
マンションはその構造上、戸建とは異なる様々な問題が発生する可能性があります。
報酬の発生を伴う第三者間の問題の解決は一部の例外を除いて弁護士の専権業務となりますが、この前段として、一度、管理会社へご相談をされてみてはいかがでしょうか。
また、問題に限らず、例えば、理事会の高齢化・棟外区分所有者の増加により会計業務の維持が困難な状態となっている等、お困りの事項がございましたら、お気軽にご相談ください。
1.対象物件のうち区分所有権の対象となる専有部分は、住戸番号を付した住戸とする。
2.前項の専有部分を他から区分する構造物の帰属については、次のとおりとする。
一 天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする。
二 玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする。
三 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする。
3.第1項又は前項の専有部分の専用に供される設備のうち共用部分内にある部分以外のものは、専有部分とする。
このため、配管が床(足が接する部分)下に敷設されている場合でも、躯体(コンクリート部分)の上部に敷設されている場合は、一般的には専有部分ということになります。ところが、以下のような事例がありました。
Aさんのお部屋の排水管は躯体を貫通して下階のBさんの天井裏にある枝管を通じて共用部分である本管(縦管)に流れる構造となっていました。
このBさんの天井裏の排水管で漏水が発生した場合、責任の所在はどちらになるのでしょうか。配管はBさんの専有部分内にありますが、排水はAさんのお部屋からのものでBさんとは無関係です。
平12・3・21 最高裁第3小法廷判決によれば、この修理責任者はAさんでもBさんでもなく、当該箇所は共用部分であるため管理組合であるとされました。
理由は、Aさんが単独で同排水管を点検・修理を行う事は不可能であるとの理由です。
上記事例は原文を大幅に省略した内容となっておりますが、大筋は記載のとおりです。
配管、特に給排水管は建物の血管のような役割を果たしております。
給排水管からの漏水は多くの場合、定期的なメンテナンスが行われていない場合に発生します。
また、定期的なメンテナンスを行うには多額の費用を要する場合が殆どです。
このようなご不安がおありでしたら、現状調査や資金計画を含め、一度管理会社へご相談をされてみてはいかがでしょうか。
大部分の場合、書面・架電・訪問督促により解消することが多いですが、これでも解消しない場合、支払い請求訴訟の提起による認容判決の取得や和解、場合によっては強制執行により解決を図ることができます。
それでは、強制執行による解決が図れない場合、例えば、管理組合に優先する抵当権等の債権額が設定されている場合はどうでしょうか。
競売手続においては、「買取可能評価額」が優先債権に満たないときは、無剰余の判断を受け、競売手続が取り消されることになります。(無剰余取消 民事執行法第63条)
つまり、債務者の方から債権を回収しようにも、回収する資産が足らないため、回収不可能な状態となっている場合です。
この場合、債権を諦める他に方法は無いのでしょうか。
実はまだこの先に最終手段が存在します。
一度管理会社へご相談をされてみてはいかがでしょうか。
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